ファッションや音楽を中心に世界的なトレンドとなって久しいY2Kカルチャー。その波はついに、デジタル上の視覚表現やコミュニケーションの文脈にまで深く波及した。かつては洗練されていないと捨て去られたローファイなグラフィックが、今や「エモい」「エッジが効いている」とポジティブに再定義されている。
特にZ世代やα世代にとって、ガラケー特有の無骨なインターフェースやパカパカ開閉する折りたたみ端末のギミックは、逆にスタイリッシュに映る。完璧にレタッチされたSNSの写真に慣れ親しんだ彼らにとって、あえてノイズが乗り、文字が滲んだような視覚効果は、加工技術の極致とも言える逆説的な魅力を放っているのだ。