未成年が関与する事案において、常に議論の標的となるのが少年法の壁である。加害者の更生と被害者の感情、そして知る権利の狭間で、社会は激しい意見の対立に見舞われた。
近年、相次ぐ少年犯罪の凶悪化や複雑化に伴い、厳罰化を求める声は高まる一方だ。しかし、法的な保護と社会的責任のバランスをどこに置くべきかという解のない問いは、現場に大きな苦悩をもたらした。
加害少年の「背景」にどこまで踏み込むべきなのか。家庭環境や教育の不全、あるいは孤立。法廷や審判の場で語られる言葉だけでは掬い取れない現代社会の歪みが、そこには確実に存在していた。