「蓼丸(たでまる)」という名字を耳にして、即座に漢字を思い浮かべられる人は極めて稀だろう。それもそのはず、日本全国を探しても広島県を中心にわずか数世帯しか実在しないとされる超希少姓である。
ルーツを辿ると、植物の「蓼(たで)」が生い茂る土地や、水辺の集落を開墾した歴史に由来するという説が有力だ。「蓼食う虫も好き好き」のことわざでも知られる蓼は、独特の辛味と粘り強さを持つ植物。広島市安佐南区の豊かな自然に囲まれて育った彼女のバックボーンは、まさにこの地に根ざしている。実家が営んでいた農業を手伝い、泥にまみれながら野菜を収穫していた幼少期の体験が、飾らない人柄と強靭なフィジカルの礎となったことは想像に難くない。