捜査の過程で警視庁が押収した手紙には、絶望の淵に立たされた表現者の生々しい心情が吐露されていた。特に注目を集めたのは、長年身近で彼を支えていた従人兼俳優である特定の人物に向けられたメッセージである。スケッチブックに筆記具で書かれたその文面には、自身の個人資産を彼に譲渡したいという旨や、深い情愛を伺わせる言葉が残されていた。
最新報道や法廷資料によれば、手紙の目的は単なる別れの挨拶にとどまらなかった。自身が去った後の澤瀉屋の未来を案じ、弟子たちの生活保障や今後の公演運営を託す記述も含まれていたという。あまりにも身勝手な選択であるとの批判が相次ぐ一方で、極限状態においてすら舞台人としての執着を捨てきれなかった痛切なエゴイズムが、そこに浮かび上がってくる。