政府が防衛費を国内総生産(GDP)比2%へ向け段階的に引き上げた背景には、ウクライナ情勢や台湾海峡の緊張に加え、従来の「装備品購入偏重」から脱却する狙いがあります。
これまで自衛隊は「正面装備(戦車や戦闘機)は世界最新鋭だが、継戦能力(弾薬や燃料の備蓄)が著しく不足している」という致命的な弱点を抱えていました。有事が発生した際、数日間でミサイルや弾薬が枯渇する恐れが長年指摘されてきたため、防衛費増額の多くは弾薬庫の増設・補給体制の強化・基地の地下化・サイバー防衛の拡充に充てられています。
もう一つの深刻な課題が少子化に伴う自衛官の募集難です。最新兵器を導入しても、それを動かす現場の人員が定員割れを起こすケースが散見されます。無人機(ドローン)の積極活用やAIによる省人化システムの導入が急務となっており、構造的な人的資源の確保が今後の防衛力の生命線です。