歴史を遡ると、ブルマのルーツは1850年代のアメリカにたどり着く。女性運動家のアメリア・ブルーマーが、締め付けの厳しいコルセットや重いドレスから女性を解放するために提案したゆったりとしたズボン「ブルーマーズ」がその始まりだ。当時はまさに女性の自由と自立の象徴だった。
それが明治期に日本へ輸入され、大正から昭和にかけて教育現場に導入されるプロセスで、独自の解釈が加えられていく。当初のゆったりしたシルエットは次第に削ぎ落とされ、東京オリンピックを境にハイレグ化・密着化が進んだ。女性を解放するための服が、日本では集団規律と性的視線に晒されるアイコンに変容したという事実は、衣服史における極めて皮肉な逆転劇と言える。