1980年代前半、バラエティ番組『テレビ演芸』への出演をきっかけに、竹中の名前は一気に全国区へと駆け上がる。なかでもお茶の間に強烈なトラウマと爆笑を同時に植え付けたのが、伝説の芸「笑いながら怒る人」だ。顔の右半分は怒り、左半分は笑うという人間離れした表情筋のコントロールと過激なパフォーマティビティは、従来のコメディの枠組みを根底から壊してみせた。
だが、彼は単なるバラエティタレントにとどまるつもりは毛頭なかった。過激なギャグの裏側で、常に映画への情熱を燃やし続けていたのだ。この時期に培われた圧倒的なライブ感と即興性は、後に彼が出演する数々のコメディ映画において、唯一無二のアドリブ力として花開くことになる。