関西国際空港の運営会社である関西エアポートが推進してきた第1ターミナル(T1)リノベーションプロジェクト。その最大の目玉は、南北に分散していた国際線出国審査場の一元化と、出国審査を抜けた直後に広がる国内空港最大級のウォークスルー型免税店エリアです。
かつては出国審査を終えるとすぐに搭乗ウィングへ向かうシャトル(新交通システム)乗り場やオープンな待合ロビーが広がっていましたが、現在の新レイアウトでは、出国審査を通過したすべての旅客が必ず巨大なラグジュアリー免税店ストリート(約2,500平方メートル規模)を通り抜ける動線へと再設計されました。シャネル、エルメス、ディオールといったハイブランドのブティックをはじめ、日本酒や和菓子、最先端のジャパンコスメがずらりと並び、まるで海外のハブ空港に降り立ったかのような没入感を提供しています。
現場取材で見えてきたのは、空間の華やかさと引き換えに生じた「歩行距離の増大」です。公式発表のフロアマップデータによると、出国審査場から最端のゲートまでの実歩行距離は旧レイアウト比で最大約1.3倍に延伸しています。搭乗直前の買い物に夢中になり、ウィング先端の搭乗口まで走る旅行者の姿が散見されるため、ショッピングの時間配分にはこれまでにない注意が求められます。