静止軌道における脅威は、単に監視衛星が並ぶことだけではない。近年、高度3万6000キロの宇宙空間で展開されている衛星の「接近・補獲(RPO)」実験や、寿命を迎えた衛星の軌道離脱ミッションが世界の安全保障コミュニティで大きな議論を呼んでいる。
大型の打ち上げ能力を持つということは、それだけ重厚で複雑なロボットアームや推進装置を搭載した多目的衛星を送り込めることを意味する。表面上は「デブリ(宇宙ゴミ)除去の実証実験」と謳われながらも、他国の重要衛星に接近して機能を停止させたり、信号を妨害したりするデュアルユース(軍民両用)の技術としても転用可能だ。防衛省をはじめとする各国当局が、この輸送機によって投入されるペロードの動向に神経をとがらせるのはそのためだ。