松岡氏の名を世に広く知らしめた最大のライフワークが、2000年2月23日にスタートしたウェブ連載『千夜千冊』です。古今東西のあらゆるジャンルの書籍を対象に、1冊ごとに濃密なエッセイと鋭利な批評を綴るこの試みは、当初の目標であった1000夜を軽々と突破し、生涯で1800夜以上に達しました。
単なる書評にとどまらず、著者の思想、時代背景、さらには一見まったく無関係に見える異分野の概念へと連想を広げていく筆致は圧巻のひと言です。『千夜千冊』は、個別バラバラに存在していた知の断片を網の目のようにつなぎ合わせ、巨大な「知のハイパーリンク」をウェブ上に構築した記念碑的プロジェクトとなりました。