椎茸の下処理において、長年議論されてきたのが「洗うか、洗わないか」という疑問です。日本きのこセンターをはじめとする専門機関の公式見解や食品学のデータにおいて、しいたけの下処理は基本的に「洗わない」ことが推奨されています。
椎茸はスポンジのように水分を吸収しやすい構造を持っています。水洗いしてしまうと、豊かな香りが揮発するだけでなく、加熱時に余分な水分が染み出して食感が損なわれ、水溶性の旨味成分が流れ出てしまいます。目に見える木くずや汚れが付着している場合は、軽く湿らせたキッチンペーパーや清潔な布巾で優しく拭き取るか、指先で軽く払う程度にとどめるのが正解です。
また、最高の一皿を作るためには素材選びも欠かせません。店頭で選ぶ際は、以下の観察ポイントを意識してください。
- カサの巻き込み:カサの縁が内側にしっかりと巻き込んでおり、肉厚で丸みがあるもの。
- ヒダの状態:裏返したときにヒダが白く、ピンと張っているもの(鮮度が落ちると茶色く変色します)。
- 軸の太さ:軸(柄)が太く短めで、持ったときにずっしりとした重量感があるもの。
一般的に巨大しいたけの旬は、春(3〜5月)の「春子(はるこ)」と、秋から初冬(9〜11月)の「秋子(あきこ)」の年2回訪れます。特に寒暖差を経験した原木栽培のものは、組織がぎゅっと引き締まり、格別の歯ごたえと深いコクを蓄えています。