東急バスの値上げがいつから本格化したのかを振り返ると、同社は近年の急激な事業環境悪化を受け、国土交通省運賃認可申請を経て段階的な運賃改定に踏み切ってきました。都内均一区間においては、かつて大人220円(IC 216円)で推移していた普通運賃が240円(IC・現金同額)へと改定され、追随するように川崎市内・横浜市内の各路線でも基準運賃が見直されました。
道路運送法に基づく路線バスの運賃改定は、単に事業者が自由に設定できるものではありません。運行原価や設備投資、人件費などを積み上げた総括原価方式に基づき、赤字路線の維持可能性や安全投資計画が厳しく審査されます。関係省庁の提出書類によると、東急バスの営業係数(100円の収入を得るために必要な費用)は郊外路線を中心に悪化の一途をたどっており、現状の低廉な運賃のままでは安全運行に必要な車両更新すら滞る危機的状況が浮き彫りになっていました。