コールド負け(コールドゲーム)とは、規定のイニング(通常は9回)を最後まで消化する前に、審判員の判断・宣告によって試合が途中で打ち切られ、その時点のスコアをもって勝敗が確定することを指します。日本の野球文化において、敗戦チーム側の視点から「コールド負け」と呼ばれるのが一般的です。
初心者が最も誤解しやすいのが言葉の語源です。かつてネット上や学校の部活動の場などで「点差が開きすぎて試合が冷え切ったから『Cold』」「凍りつくような大敗だから」といった俗説が囁かれることがありました。しかし、これは明確な誤りです。
正しい英語表記は「called game(コールドゲーム)」であり、動詞「call(宣告する)」の過去分詞形に由来します。球審が公認野球規則に従い、試合の終了をグラウンド上で公式に「宣告(コール)した」試合という意味です。公認野球規則第7条(試合の終了)には、天候不順や日没、あるいは大会規定による点差によって試合を終了させる審判員の権限が明記されています。
また、混同されやすい概念に「ノーゲーム」があります。両者の決定的な違いは「試合が法的に成立したかどうか」という点にあります。
原則として、後攻チームがリードした状態で5回表が終了しているか、あるいは双方が5回裏まで完了していれば試合は「正式試合(成立)」とみなされ、その後の打ち切りは「コールドゲーム」として個人記録や勝敗が公式記録に残ります。一方で、5回に満たない段階で天候悪化等により打ち切られた場合は「ノーゲーム」となり、それまでの安打や奪三振、得点などすべてのプレー記録が完全に帳消しとなります。