千代田区二番町の地は、日本の民間テレビ放送の黎明期を支えた歴史的聖地です。1953年8月28日、日本テレビはこの麹町の敷地から日本初の民間テレビ本放送を開始しました。街頭テレビに群がる人々へ向けてプロレス中継や巨人戦を送り出し、高度経済成長期とともに日本のテレビ文化の中心地として君臨してきた場所です。
2003年に本社機能が現在の港区・汐留(日本テレビタワー)へと全面移転した後も、この地は「麹町分室」として残され、数々の伝説的バラエティ番組の収録が続けられました。しかし、開局当時から増改築を繰り返してきた旧社屋群は建物の老朽化が進み、最新のデジタル放送規格や耐震基準への適合が喫緊の課題となっていました。
そこで日本テレビは旧社屋の一部を解体し、次世代を見据えた制作拠点として土地を再構築。その第一期プロジェクトとして誕生したのが現在の番町スタジオです。かつて昭和の熱気が渦巻いた麹町の地に、最先端のデジタル技術を纏った新スタジオが蘇ったという歴史的文脈を持っています。