マモルというキャラクターは、悪意を持ってテルコを利用しているわけではない。ここが本作の最も罪深く、かつリアルな点だ。彼は優しく、親しみやすく、それでいて決してテルコを「本命」にはしない。いわゆる「沼らせる」男の無自覚な罪深さが、観る者の過去の傷口を的確に抉る。
「本命になれないなら、一番近くにいる都合のいい存在でいい」。テルコの決断は、一見すると惨めな妥協に見える。しかし、彼女の中には一本の筋が通っている。それは被害者ぶるのではなく、自らの意思でその不平等な関係を選び取っているという覚悟だ。2026年の視聴者は、彼女のその狂気的な主体性に、ある種の強さすら見出している。