「背がぐんぐん伸びているなら、健康で喜ばしいことではないか」と誤解されるケースが少なくありません。しかし、思春期早発症の最大のリスクは、思春期早発症で身長が止まるというパラドックスにあります。
性ホルモン(エストロゲンやテストステロン)が過剰に早期分泌されると、骨の成長を促進すると同時に、骨の端にある軟骨部分(骨端線)を急速に成熟させて硬い骨へと変えてしまいます。通常、小児科では左手の骨年齢レントゲンを撮影し、実年齢(暦年齢)と骨の成熟度合いを比較照合します。
例えば実年齢が7歳であっても、骨年齢が10歳相当まで進んでいる場合、骨が伸びる残りの期間(成長の伸び代)が3年分失われたことを意味します。発症初期は同級生より頭一つ分大きくなりますが、小学校高学年や中学生になる頃には骨端線が完全に閉鎖し、以降はまったく身長が伸びなくなります。結果として成人身長が140cm台前半(女児)や150cm台前半(男児)にとどまるケースがあるため、骨年齢の正確な評価が不可欠です。