多くの人が善行に励もうとする一方で、知らないうちに積み上げた徳をすべて帳消しにしてしまう「徳を減らすNG行動」に足を取られています。穴の開いたバケツにどれほど水を注いでも満たされないように、徳を浪費する悪習を断つことが先決です。
仏教では、徳を激しく消耗させる最大の要因として「三毒(さんどく:貪・瞋・癡)」を挙げます。これを現代の行動に落とし込むと、以下の3点に集約されます。
第一に、「恩着せがましさ」と「見返りの要求」です。「これだけやってあげたのに」「あの人は感謝の言葉もない」と不満を抱いた瞬間、せっかくの善行は相手をコントロールするための精神的負債へと堕落します。これでは徳を積むどころか、関係性を損なう火種を作っているに過ぎません。
第二に、「不在の人物に対する陰口・悪口・嘲笑」です。面と向かって言えない批判をネットや酒席で垂れ流す行為は、言霊の観点からも心理学的観点からも、自身の自尊心を著しく傷つけます。他者を貶めることで相対的に優位に立とうとする態度は、最も急速に人望と運気を枯渇させます。
第三に、「偽善的な自己顕示」です。善行をアピールして他者からの称賛やフォロワー稼ぎの道具にする行為は、動機が利他ではなく極端な利己にあります。ネット上では時折こうした行動が透けて見え、激しい批判を招く場面が散見されますが、これは本質的に徳をすり減らしている現象と言えます。