長野市オリンピック記念アリーナの愛称である「エムウェーブ(M-Wave)」は、建物の外観を特徴づけるM字型の連続する波(Wave)のような屋根形状と、長野を取り囲む山々(Mountain)の頭文字に由来しています。1996年秋の竣工以来、長野五輪スピードスケート会場として清水宏保選手の金メダル獲得をはじめとする歴史的快挙を見守ってきました。
建築技術の観点において特筆すべきは、世界最大級の木造吊り屋根構造を採用している点です。地元・長野県産材のカラマツ集成材をふんだんに活用し、鉄骨トラスと組み合わせたハイブリッド吊り構造によって、柱が一本もない広大な無柱空間(長軸約216m、短軸約100m)を実現しました。この構造は、景観への圧迫感を抑えるとともに、木材ならではの温かみと優れた音響・断熱特性をもたらしています。
また、標高約340m前後の冷涼な気候と最新の結氷・空調制御システムが融合したリンク環境は「高地特有の好記録が出る高速リンク」として知られ、現在も国内外のトップアスリートが集う主要大会の舞台として君臨しています。