行橋別府のルートマップは、前半の「平坦なアスファルトロード」と後半の「暗闇の峠越え」というまったく異なる二面性を持っています。制限時間26時間を有効に使うためには、ステージごとの地形特性を頭に叩き込んでおく必要があります。
【第1ステージ:行橋〜中津(約36km)】
スタート直後の高揚感と集団のペースに巻き込まれやすい危険地帯です。平坦で見通しの良い国道を時速5.5〜6km近いハイペースで飛ばす参加者が目立ちますが、ここで脚筋力を削った者は例外なく後半に脱落します。築上町を抜け、吉富町を経て大分県中津市に入るまでは、意識してペースを「時速4.5〜5.0km」に抑える自制心が求められます。
【第2ステージ:中津〜宇佐〜立石峠(約36km〜約65km)】
夕暮れから宵の口にかけて通過する宇佐市街地を抜けると、いよいよ行橋別府最大の難関「立石峠」への登坂が始まります。街灯がほとんどない山道に入り、気温は急降下。舗装路の傾斜が足首とふくらはぎを容赦なく痛めつけます。第2チェックポイントとなる宇佐市公会堂付近(約61km地点)で足裏の手入れと防寒着の着用を行えるかどうかが、後半の命運を分けます。
【第3ステージ:立石峠〜七曲り〜赤松峠(約65km〜約87km)】
深夜0時から未明にかけて通過する「魔の区間」です。急勾配の立石峠を下った後、旧道特有のうねりと暗闇が続く「七曲り」、さらに追い討ちをかける「赤松峠」が立ち塞がります。睡魔のピークと疲労困憊が重なり、コース脇でうずくまる脱落者が最も頻発するセクションです。
【第4ステージ:日出〜別府ゴール(約87km〜100km)】
別府湾沿いの国道10号線に出ると視界が開け、朝陽が海面を照らします。精神的には希望が見えるものの、破壊された足裏と膝の痛みで歩行速度は時速3km未満まで落ち込みがちです。別府市街に入ってからの最後数キロが果てしなく長く感じられますが、別府的ヶ浜公園のゲートをくぐる瞬間、すべてが歓喜へと変わります。