セル編のクライマックスにおけるセルゲームで、読者の涙を誘った最大の見せ場が人造人間16号の最期です。かつて孫悟空を抹殺するためにプログラムされた戦闘マシーンが、自らの信条で選んだ行動は「自然と生き物たちを守るための自己犠牲」でした。
頭部のみとなった16号が、心優しさゆえに怒りを解放できず苦悩する孫悟飯へ投げかけた言葉は、ドラゴンボール史に刻まれる屈指の金字塔です。
「正しいことのためにたたかうことは罪ではない… はなしあうことのできないあいてだっているんだ… いかりをしずかにかいほうしてやれ… きもちがわかるそのいかりを…」
「おれのすきだったしぜんやどうぶつたちを……まもってやってくれ……」
直後、完全体セルが無慈悲にその頭部を踏み砕いた瞬間、悟飯の頭の中で「プツン」と何かが切れる演出が描かれました。孫悟飯 超サイヤ人2 覚醒のきっかけとなったのは、まさにこの16号の崇高な魂と散り際だったのです。憎悪による暴走ではなく「他者と世界を慈しむ怒り」を肯定された悟飯は真の力を解き放ち、セルを圧倒する伝説の戦闘へと突入していきました。