スピードワゴンの歴史を語る上で欠かせないのが、名古屋吉本時代からの深い絆と、東京進出後の下積み時代です。1998年、それぞれ別のコンビを解散していた二人が意気投合し、映画『スピード』の作中に登場するバスの名称から着想を得てコンビを結成したのがスピードワゴン結成経緯の原点でした。
東京進出を果たした二人の名を一気に全国区へと押し上げたのが、NHKのネタ番組爆笑オンエアバトルです。観客の審査によってオンエアの可否が決まる極限の緊張感の中、彼らが披露した甘い言葉の漫才ネタは若者層を中心に爆発的な支持を獲得しました。審査員である一般観客の共感を呼ぶ「あまーい!」の絶叫は、会場の空気を一変させる圧倒的なカタルシスを生み出しました。
勢いそのままに『M-1グランプリ2002』で決勝進出を果たし、敗者復活から勝ち上がった2003年大会でも鮮烈な爪痕を残しました。小沢一敬が紡ぎ出す「昨日は何してた?」「お前のこと考えてたよ」といった気障なやりとりに対して、井戸田が額に青筋を立てて絶叫するスピードワゴン漫才ネタのフォーマットは、平成のお笑い史に確固たる金字塔を打ち立てたのです。