ネット上のレビューや掲示板では「新しいホールだからどの席でも完璧に見える」「駅前にあるので電車遠征も楽勝」といった楽観的な声が散見されますが、ここには現場を知る者だけが気づく2つの盲点があります。
第1の誤解は「駅からの近さ」です。「三次市民ホール」という名称からJR三次駅の目の前にあると勘違いし、開演直前に三次駅に到着して途方に暮れる遠征客が後を絶ちません。前述の通り駅からは約1.8kmあり、地方路線バスの本数も都市部のように数分おきには走っていません。乗り継ぎダイヤの事前確認を怠ると、開演に間に合わないリスクがあります。
第2の誤解は「大ホール後方席の視覚的圧縮」です。2階席最前列は手すりの高さが安全基準に合わせて設計されているため、小柄な方や座高が低めの方が深く腰掛けると、手すりの上端が舞台手前のラインにわずかに重なる瞬間があります。ホール側も座高調整クッションの貸し出しを行っていますが、視界に完璧を求める場合は1階席の中央ブロック(10〜18列目付近)を第一候補に据えるのがベストチョイスです。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
最新の音響設備と美しい建築美を誇る三次市民ホールきりりですが、利用目的や交通手段によって適性が分かれます。後悔しないための判断基準を整理しました。
【きりりの利用を強くおすすめできる人】
- 生の楽器の音色やアコースティックな響きを重視する人:室内楽や合唱、ピアノリサイタルなどにおいて、中国地方トップクラスのクリアな残響を堪能できます。
- 自家用車で時間に余裕を持って移動できる人:開演1時間前の到着と周辺待機を前提に動けるドライバーであれば、無料駐車場とスムーズなアクセスを享受できます。
- 建築美や地域文化の空気を丸ごと楽しみたい人:隈研吾建築の温もりと歴史ある三次町の景観をセットで巡る休日のカルチャートリップには最適の目的地です。
【利用に際して慎重な計画・準備が必要な人】
- 終電ダイヤがタイトな公共交通機関遠征組:芸備線・福塩線の夜間運行本数は限られています。アンコール終了後に駅まで移動する時間を逆算しておかないと、帰宅困難に陥る危険があります。
- 終演後すぐに高速道路に乗って帰路につきたい人:敷地内駐車場に停めてしまうと出庫待機で30分以上拘束されるため、最初から少し離れた市営駐車場を利用するなどの防衛策が必須です。