芸備線の議論を客観的に理解する上で避けて通れないのが、JR西日本が公表している線区別収支と輸送密度(平均通過人員)の圧倒的な数値格差です。芸備線は広島〜三次間のような都市近郊区間と、三次〜備後落合〜新見間の山間部区間で利用実態が完全に二極化しています。
以下のデータ比較表は、JR西日本の公式決算開示資料および国土交通省の統計データを基に、芸備線の主要区間における収支・利用状況を整理したものです。
特に東城〜備後落合間における営業係数は、100円の運賃収入を得るために1万円以上のコストを費やしている計算になります。この芸備線 赤字 理由の根底にあるのは、沿線人口の急速な減少、中国自動車道をはじめとする高規格道路網の整備によるマイカー普及、そして若年層の都市部流出です。
JR西日本としては、上場企業としての経営責任と株主への説明責任から、巨額の赤字を垂れ流し続ける構造を放置できない立場にあります。一方で、庄原市などの自治体側は「国の過疎対策や地方創生予算を活用し、上下分離方式などの公的支援を導入すべきだ」と反論しており、収支改善の責任主体を巡る溝は依然として深いままです。