ミセスのゼンジン未到シリーズにおいて、古参ファンから新規リスナーまで最も熱視線を送っていたのが「ミセス ゼンジン 日替わり曲」の動向でした。ノエビアスタジアム神戸2Days、そして横浜スタジアム2Daysという限られた公演スケジュールの中で、どのタイミングで何が差し替えられたのか。その選曲意図を解剖すると、大森元貴が描いた緻密なストーリーテリングが浮かび上がってきます。
最大のハイライトとなったのは、フェーズ1初期の隠れた名曲群や、普段のアリーナツアーでは滅多に披露されないディープな楽曲の差し込みです。神戸初日と2日目、横浜公演へと進むにつれて、ファンが「まさかスタジアムの規模でこの曲を聴けるとは」と息を呑んだのは、インディーズ期や初期アルバムの系譜を継ぐ実験的ナンバーの存在でした。SNS上では「情緒が追いつかない」「あのイントロが鳴った瞬間、スタジアムがどよめいた」といったレポートが殺到。巨大なマスカルチャーの旗手となった彼らが、かつてライブハウスで尖った刃を研ぎ澄ませていた時代のアイデンティティを、このスタジアムという極限の舞台で意図的に解放した瞬間でした。