一般的な黄玉ねぎと新玉ねぎの最大の違いは、収穫後の乾燥工程にあります。通常の玉ねぎが収穫後に1か月ほど乾燥させて保存性を高めるのに対し、新玉ねぎは収穫後すぐに出荷されます。そのため、水分含有量が約90%と極めて高く、細胞壁が柔らかい特徴を持っています。
新玉ねぎが生でも辛くないのは、辛味成分である硫化アリル(アリシンなど)の絶対量が少ないだけでなく、豊富な水分によって辛味がマスキングされているためです。この新玉ねぎを加熱すると、辛味成分が揮発・分解し、プロピルメチルジスルフィドなどの甘みを感じさせる芳香成分へと変化します。
ポタージュを作る際、多くの人が陥りがちなミスが「強火で炒めて焼き色をつけてしまうこと」です。新玉ねぎのポタージュにおいて目指すべきは、メイラード反応(褐色化)による香ばしさではなく、純粋な甘みと美しい白色です。極弱火で蓋をし、玉ねぎ自体の水分で蒸し煮にするフレンチの基本技法「スエ(suer=汗をかかせる)」を行うことで、えぐみを一切出さずに糖度を劇的に引き上げることが可能になります。