市場の高騰に伴い、悪質なブートレグ(偽物)や意図的なヴィンテージ加工を施したリプリント品が大量に出回っている。1点あたり数十万円で取引される世界だからこそ、偽物のクオリティも年々精巧化しているのが現状だ。では、プロのディーラーや真贋鑑定士はどこを見ているのか?
第一のポイントは「ステッチ(縫製)」だ。90年代当時のTシャツの多くは、袖口や裾の縫製が1本の糸で縫われた「シングルステッチ(Single Stitch)」で仕上げられている。2000年代以降のダブルステッチ製品とは構造が異なる。第二のポイントは「コピーライト印刷とタグ」である。オフィシャル製品には必ず版権表記(©表記)が精細にシルクスクリーン印刷されている。偽物はここがインクジェットプリントでぼやけていたり、年代とタグのブランド表記が矛盾していたりする。さらに生地の劣化具合や、首元のタグが切られた痕跡(いわゆる切りタグ)の裏側までルーペで確認するのがプロの真贋鑑定の鉄則だ。