インターネット上の口コミやSNSで頻繁に見受けられるのが、「高いお金を出して松を頼んだら鰻の質が格段に違った」「梅は安物でパサパサしていた」といった個人の先入観による誤解です。
前述の通り、専門店の厨房では同じ生け簀の鰻を同じタレと炭火で焼き上げています。「梅(並)」でパサつきを感じたとすれば、それは肉質の違いではなく、鰻の身が薄い小型サイズであるため火の通りが早かったか、ご飯に対してタレの比率が多かったことによる錯覚に過ぎません。
もう一つの盲点は、飲食店における「松竹梅の法則(極端回避性)」です。人間は3つの選択肢を提示されると無意識に中央の「竹(上)」を選びやすい心理特性を持っています。そのため、多くのうなぎ専門店では「竹(上)」に最もバランスの良い1尾分の鰻を配置し、店の看板として利益率と満足度の最適化を図っています。