国鉄時代に大量生産され、全国の非電化路線を支え続けてきたキハ40系気動車。その重厚な鋼製車体と独特のエンジン音は、今なお多くの人々を魅了してやまない。老朽化に伴い姿を消しつつあるものの、一部の地域では観光列車やリバイバル塗装車として大切に動態保存されており、昭和の鉄道文化を今に伝える貴重な遺産となっている。
紀行作家・宮脇俊三が名著『時刻表2万キロ』で描いたローカル線探訪の精神は、現代の鉄道ファンにも深く受け継がれている。宮脇が愛したローカル線の静けさと、旅先での思いがけない出会い。キハ40系が吐き出す排気ガスの匂いやボックスシートの温もりは、彼が執筆した数々のルポルタージュ文学の世界観そのものと言えるだろう。