「楽器を演奏しない」というエアーバンドのスタイルは、結成当初、異例のイロモノとして扱われた。しかし、その裏側にある音源制作プロセスは極めてストイックだ。鬼龍院自身がDTMを駆使し、アレンジからドラムの打ち込み、ベースラインの構築に至るまで完璧なデモを作り上げる。
ライブでのパフォーマンスを成立させるためには、原曲のクオリティが圧倒的でなければならない。メンバーの個性を引き立てる余白を残しつつも、音源単体でチャートを席巻できる完成度を担保するこの手法は、音楽シーンにおけるコペルニクス的転換だった。