近年、Netflixをはじめとするグローバルプラットフォームを通じて、『火垂るの墓』は世界190カ国以上で視聴可能となった。実写の戦争映画とは異なる「アニメーションという表現媒体」だからこそ可能となった精密な細部描写と感情の普遍性は、海外の映画評論家や視聴者の間で改めて衝撃を与えている。
特にヨーロッパや北米の視聴者からは、「CGや過剰なドラマツルギーに頼らず、歴史のリアリティをここまで冷徹に描いた作品は他にない」との称賛が相次ぐ。B-29の描かれ方一つをとっても、兵器への過度な神話化や反米感情の煽り立てを排し、純粋に「空から降り注ぐ暴力」として描いたことが、グローバルな共感を集める要因となっている。