大日本帝国海軍の戦略基盤を作り上げた秋山真之の才能は、一朝一夕に育まれたものではない。海軍大学校での教官時代、彼は古今東西の戦史を徹底的に解剖し、中国の孫子から西洋の軍事思想までを融合させた独自の講義を構築した。
アメリカ留学時代に観戦武官として実戦を目の当たりにした経験も大きい。最新の艦隊運動や通信技術の限界をクールに見極め、机上の空論を排除した徹底的な実用主義をたたき込んだ。形骸化した教条主義を嫌い、刻々と変化する戦況に対して常に柔軟な勝算を導き出す思考法こそが、彼の真骨頂であったと言える。