アイドル業界を長年規定してきた最大の論点といえば、いわゆる「恋愛禁止条例」の存在だ。かつてAKB48などの女性アイドルグループにおいては、恋愛発覚が即座にグループ脱退や研究生への降格を意味する絶対的ルールとして機能していた。ファンに誓った「プロ意識」の象徴として、この厳しい規律がグループの価値を支えていた側面は否めない。
一方で、SMILE-UP.をはじめとする男性アイドルを抱える大手プロダクションでも、コンプライアンス遵守やタレントの人権配慮という観点から、従来のような強権的な締め付けは見直しを迫られている。人権意識の高まりとともに、「恋愛禁止」を明文で契約に盛り込むこと自体が法的・倫理的に問われる時代となった。グループのブランド防衛とタレント個人の尊厳という二者択一の狭間で、芸能事務所はかつてない舵取りの難しさに直面している。