「開始2分で全色が消えた」——今月頭に行われたオンラインプレオーダーの直後、SNS上には歓喜と落胆の声が乱れ飛んだ。限定カラーのレザーケースと、希少木材を削り出した限定ペン。狙っていたアイテムを逃したファンの叫びは、まるでプレミアチケットの落選通知を受けたかのようだ。
文房具業界において、これほどの争奪戦が巻き起こる例は過去にほとんどない。かつて文具は「消耗品」であり、いかに安く大量に供給されるかが勝負の分かれ目だった。しかし、ここ数年で潮目は完全に変わった。価格ではなく「手触り」や「使いやすさの極限」を求める層が急増している。日常のワークスペースを自分だけの特別な空間へと変えるキーアイテムとして、人々は対価を支払うことを惜しまない。