彼の歩んできた道のりは、決して平坦なものではなかった。左肘のトミー・ジョン手術をはじめ、肩や肘の度重なる不調。1000日以上に及ぶ実戦離脱期間中、グラウンドに立てない焦りや未来への不安が重くのしかかっていたはずだ。しかし、彼は下を向かなかった。リハビリ施設で黙々と体を鍛え直し、自身のフォームを一から見つめ直す地道な作業を重ねた。
復帰登板を果たしたあの日の甲子園の歓声は、彼が耐え抜いた月日の尊さを何よりも物語っていた。育成契約からの再出発という苦境を跳ね返し、再び支配下登録を勝ち取った背景には、本人の強靭な意志とトレーナー陣との深い信頼関係があった。復帰後のマウンドで見せる一球一球には、長いリハビリ生活で蓄えられた執念と野球への情熱が宿っている。