羽生結弦の発信活動において興味深いのは、プラットフォームごとに緻密に計算されたメディア戦略だ。グローバル向けの公式YouTubeチャンネルでは、完璧に作り込まれた高画質の氷上演技やショートコンテンツを主体に展開している。一方で、中国最大の動画共有サイトであるBilibili(ビリビリ)では、ファンの熱心な二次創作や解説動画が活発に飛び交う文化が根付いている。
これらに対し、公式微博(Weibo)で展開されるのは「距離感の近さ」を追求した独占コンテンツだ。練習直後の息遣いが聞こえてくるようなセルフィー動画や、中国の伝統行事にあわせた特別メッセージなど、ここでしか見られない限定要素が満載されている。この差別化された発信スタイルの違いこそが、現地ファンを惹きつけて離さない中毒性の源泉と言えるだろう。