世界的なスターシェフであるゴードン・ラムゼイが提唱するステーキ調理法は、プロの技を家庭に応用した決定版として知られています。彼のスタイルの真骨頂は、肉の表面を焼き固めた後にバター、ニンニク、ハーブ(タイムやローズマリー)を投入し、溶けた熱いバターをスプーンで繰り返し肉にかける「アロゼ(Arrosé)」という技法です。
このアロゼを行うことで、バターの香ばしい風味が肉全体に染み渡ると同時に、直接的な強い熱ではなくスプーンですくう温かい油脂を介して優しく熱を通すことができます。さらに、焼き上がった後の「休ませ(レスト)」も極めて重要な工程です。焼いた時間と同じくらいの時間をかけて肉を温かい場所で休ませることで、加熱によって中央に集まっていた肉汁が肉全体へと再び巡り、包丁を入れた瞬間に肉汁がまな板へ流出するのを防ぎます。