なぜ東海道新幹線は、風よりも「雨」で止まることが多いのか。
カギを握るのは静岡県内の地形だ。特に熱海から静岡、掛川にかけての区間は、急峻な山と海に挟まれた脆弱な地盤を通る。雨水が盛り土にしみ込み、地滑りを起こすリスクが極めて高い。
JR東海が設けている運転規制値は「連続雨量」と「1時間雨量」の組み合わせで計測される。降雨が止んだ後もすぐに運転再開とならないのは、線路下の水分が安全基準値まで抜けるのを待つ必要があるからだ。線路の裏側では、保線員たちが土砂崩れや倒木がないか、夜を徹して目視点検を続けている。安全最優先の鉄則は、どんなにIT化が進んでも揺らがない。