最新の脳画像解析技術は、人間が何かに極限まで没頭しているときの脳内プロセスを解明しつつある。注意が散漫な状態ではデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が過剰に活動し、過去の悔やみや未来への不安を反芻してしまう。
ところが、対象に全意識を集中させると、DMNの活動が急速に低下。代わりに、脳内の報酬系回路からドーパミンやエンドルフィンがバランスよく分泌される。つまり、雑念を捨て去って目の前の課題に対峙すること自体が、脳にとって最高のセラピーであり、快楽の源泉なのだ。
「マルチタスクは脳を破壊する」と警告する専門家も少なくない。脳は本来、複数のシグナルを同時に処理するようには設計されていない。あえて選択肢を一つに絞り込むことこそが、脳のパフォーマンスを極限まで引き出す唯一の鍵だ。