奈良時代初期、ほぼ同時期に完成した『古事記』(712年)と『日本書紀』(720年)。この二つの歴史書は、根本的な「目的」が異なっていた。前者は天武天皇の命により、天皇家が日本を治める正当性を身内に示すために編纂された。いわば「身内向けのプライベートな歴史物語」だ。
一方、後者は対外的な国家の公式歴史書(正史)である。唐や新羅といった近隣諸国に対し、「日本はこれほど立派な歴史を持つ独立国だ」とアピールするための外交文書だった。この目的の差が、文体や内容の細部にまで決定的な違いをもたらしている。
奈良時代初期、ほぼ同時期に完成した『古事記』(712年)と『日本書紀』(720年)。この二つの歴史書は、根本的な「目的」が異なっていた。前者は天武天皇の命により、天皇家が日本を治める正当性を身内に示すために編纂された。いわば「身内向けのプライベートな歴史物語」だ。
一方、後者は対外的な国家の公式歴史書(正史)である。唐や新羅といった近隣諸国に対し、「日本はこれほど立派な歴史を持つ独立国だ」とアピールするための外交文書だった。この目的の差が、文体や内容の細部にまで決定的な違いをもたらしている。