菊水堂の名が全国区となったきっかけは、ある人気テレビ番組での紹介だった。毒舌で知られるタレントが一口食べ、「これは旨い」と絶賛した瞬間、注文サイトにアクセスが集中してサーバーがダウンする事態となった。
一期一会のブームで終わる商品は世の中に溢れている。しかし、同社は急激な需要拡大に対しても決して品質を落とさなかった。安易に増産へ踏み切って味がブレるくらいなら、自分たちの手が届く範囲で丁寧に作り続ける道を選んだのだ。
その結果、一過性のブームが去った後もリピーターが離れることはなかった。「手に入りにくいけれど、届いたときの感動が違う」。SNS時代における口コミの連鎖は衰えず、現在も「幻のポテトチップス」として確固たるブランドを保持している。