アニメ『それいけ!アンパンマン』というタイトルの頭につく「それいけ!」という言葉。一見すると軽快な掛け声のように聞こえるが、ここには原作者であるやなせたかし氏の強烈な生への賛歌と哲学が宿っている。当初、月刊絵本を出版していたフレーベル館の関係者や制作スタッフの間でも、タイトル案については様々な議論が交わされた。しかし、やなせ氏がこだわったのは、傷つき倒れそうになっても前を向いて進む「行動」そのものだった。
1988年に日本テレビ放送網でTVアニメの放送がスタートした際、この躍動感あふれるフレーズは全国の子供たちの心を一瞬で掴んだ。絶望の淵にあっても「それいけ」と背中を押す力強さ。単なるヒーローのネーミングを超え、時代を超えて響く生き方の提示でもあった。