家賃が手頃だからといって、誰でも申し込めるわけではありません。公営住宅は生活困窮者のためのセーフティネットであるため、厳格な入居要件が定められています。
第一の関門となるのが所得制限です。公営住宅法で定められた「政令月収」という独自の計算式に基づき、以下の基準を下回っている必要があります。
- 一般世帯:政令月収が15万8,000円以下(年間総所得から各種控除を引いた後の月額換算)
- 裁量階層:政令月収が21万4,000円以下(高齢者、障害者、未就学児のいる子育て世帯など)
額面年収で換算すると、夫婦ふたり世帯(うち1人就業者)の一般基準でおおよそ年収300万円台前半が上限の目安となります。「少しでも残業代が多くて基準を数千円オーバーしてしまい失格になった」というケースも日常茶飯事であるため、源泉徴収票に記載された数値を慎重にシミュレーションしなければなりません。
さらに注意が必要なのが、単身者の申込み基準です。横浜市営住宅において単身で申し込めるのは、原則として「満60歳以上の方」、あるいは「身体障害者手帳(1~4級)や愛の手帳を所持している方」「生活保護受給者」「DV被害者」などの特定条件を満たす方に限定されています。働き盛りの健康な20代〜50代の単身者は、いくら手取り収入が低くとも一般公募枠に応募すること自体が原則できません。この法的な壁が、都市部で困窮する現役単身世帯の大きなボトルネックとなっています。