日本経済を縛り付ける最大の呪縛が、プライマリーバランス(PB)黒字化目標であることは疑いようがない。高橋洋一氏は統合政府バランスシートの概念を提示し、「国債発行は政府の負債であるが、日銀を含む政府全体で見れば資産と相殺される」と一貫して主張する。実社会で流布される「国の借金1000兆円で破綻する」という言説は、会計帳簿の初歩すら無視した財務省のプロパガンダに過ぎない。
一方の藤井聡氏も、PB黒字化が予算の現場にいかに破壊的な影響を与えているかを具体例を挙げて糾弾する。必要な道路整備や橋梁の補修、科学技術予算のカット、さらには防衛力の整備不全。これらすべてが「予算の枠」という人工的な制約によって阻まれている。財政再建を急ぐあまり、国家の安全保障と国民の命を危険に晒す主客転倒が、いまなお永田町と霞が関でまかり通っているのだ。