1980年代後半から1990年代にかけて、森高千里は独自のポジションを築き上げました。自ら作詞を手掛け、ドラムやピアノを演奏する高い音楽性を持ちながら、スパンコールのミニスカートや奇抜なコスチュームを身にまとうスタイルは当時のポップアイコンとして日本中に衝撃を与えました。
当時20代前半の彼女が歌った『私がオバさんになっても』には、「女ざかりは特別よ」「ミニスカートはとてもムリよ」というアイロニカルなフレーズが含まれています。しかし、30余年の時を経て、現在のライブツアーでもミニ丈の衣装でドラムを叩き、軽やかにステップを踏む姿は、楽曲の前提そのものを覆す生きた証明となっています。
過去の特番インタビューにおいて、彼女自身は「あの曲を作った時は、本当に自分が50代になってもミニスカートを履いて歌うなんて想像もしていませんでした。ただ、ステージに立つ以上はファンが期待してくれる森高千里のイメージを大切にしたい」と語っています。若い頃の圧倒的なビジュアルから、円熟味を増した現在の姿への移行は、ファンにとって失望ではなく驚きと敬意の対象であり続けています。