この場所が単なるローカルな宿の枠を超え、世界的な知名度を獲得した背景には、カルチャー界の巨匠たちの存在がある。写真家・編集者の都築響一が著書や写真集『ROADSIDE JAPAN』で日本独自のキッチュで美的な建築文化として紹介したことで、その評価は一気に跳ね上がった。日本の秘められたポップカルチャーとして再発見されたのだ。
さらに近年では、時代考証の行き届いた意匠が評価され、Netflixオリジナル『全裸監督』をはじめとする昭和の時代背景を描いた映像作品の文脈とも共鳴し、若い世代の探求心を刺激している。Instagramなどのソーシャルメディア上では、レトロな壁紙や照明を背景にした写真が世界中に拡散され、海外からのインバウンド客がわざわざ足を運ぶ聖地へと昇華した。