本作のバックボーンにあるのは、警察小説の旗手として知られる今野敏の代表作『ST 警視庁科学特捜班』シリーズだ。原作が持つ科学捜査のリアリティと組織内部の力学描写をベースにしつつ、ドラマ版ではよりエンターテインメント性を強調した大胆な翻案が試みられた。
法医学、プロファイリング、物理学、文書鑑定、化学捜査——それぞれの分野で突出した能力を持ちながら、社会適応に難を抱える警視庁科学特捜班の面々。彼らは組織の論理ではなく、自らの専門性と真実への飽くなき執念だけで事件と対峙する。組織の歯車になることを拒む「個」の強さが、閉塞感漂う現代社会を生きる視聴者の胸を打った。