『ウルトラマン』の視覚的世界観を構築した美術総監督・成田亨。彫刻家でもある彼が目指したのは、単なる劇中衣装にとどまらない、芸術作品としての完成度だった。従来のミリタリー調の軍服スタイルから脱却し、未来的なSFヒーローとしての品格を持たせること。それが成田の掲げた命題だった。
成田による衣装デザインの哲学は、余計な装飾を排した引き算の美学にある。オレンジという視認性の高い色を巧みに配置することで、白黒テレビからカラーテレビへの過渡期における映像表現を高めつつ、怪獣と対峙する隊員たちの存在感を強烈に主張させた。そのシャープなカットラインは、現在のアパレルデザインにもインスピレーションを与え続けている。