国際放射線防護委員会(ICRP)が定めている一般公衆の線量限度「年間1mSv」という基準は、これを超えたら直ちに奇形や健康被害が出る危険ラインではありません。これは「社会生活の中で可能な限り被曝を低く抑えるための運用上の目安」です。
健康被害の観点から見ると、喫煙や大量飲酒、重度の運動不足や偏食などが胎児や成人に与える悪影響のほうが、低線量被曝のリスクよりも圧倒的に高いことが分かっています。放射線への恐怖心から生じる極度の精神的ストレスや、それに伴う生活環境の激変こそが、事故後に多くの人々の心身を蝕んだ真の健康被害であったと多くの専門医が指摘しています。
2026年現在の日本国内における空間線量率は、被災地の一部帰還困難区域を除き、世界各地の自然放射線レベルと同等かそれ以下に落ち着いています。科学的な基準値と実測値を知ることで、過剰な警戒から生じる二次被害を防ぐことができます。