千代田区麹町から半蔵門にかけての一帯は、昭和の高度経済成長期からバブル期にかけて急速にオフィス街として発展した。当時は吹付けアスベストやアスベスト含有建材が断熱材・耐火被覆材として頻繁に使用されていた。耐用年数の40~50年を迎えた2026年の現在、それらの建物が一斉に更新時期を迎えている。
建物の解体や大規模改修を行う際には、事前調査によるアスベストの有無の把握と適切な除去が法律で義務付けられている。しかし、築年数が古いビルほど構造が複雑であり、天井裏や設備シャフトの奥深くに埋もれた含有建材の見落としリスクがゼロとは言えない。現場での解体作業が本格化する中で、過去の負の遺産が現実の課題として突きつけられているのだ。