第243話の核心は、高羽史彦と羂索による「お笑いコンビ・バカサバイバー」の漫才ステージの完結と、その刹那に訪れた乙骨憂太の電撃奇襲です。読者の誰もが息を呑んだこのシーケンスは、単なるバトルマンガの枠を超えた心理的トリックと演出の妙によって構築されていました。
自身の理想とする笑いを追求し、羂索と魂の掛け合いを演じ切った高羽は、「終わらせたくねえな」と涙を流しながらも白装束姿で横たわり、芸人としての完全な満足感とともに舞台を終えます。羂索自身もまた、千年の退屈を埋めるかのような充足感に浸り、「ああ 面白かった」と笑みをこぼした——その無防備な一瞬でした。
背後に音もなく滑り込んだ乙骨憂太の刀が、羂索の首を一閃のもとに切断。首を刎ねられた羂索は宙を舞いながら、「ウソだろ」「高羽の術式で…いや 呪力総量で言えば五条悟以上のアイツの気配に 気付けないわけが……」と驚愕の独白を残します。かつてない知略を誇った黒幕が、高羽の創り出した「笑いの空間」の余韻によって感覚を狂わされ、死角からの一撃で仕留められるという驚天動地の結末でした。